コラム
火災保険ってどういう時に使えるの?(悪質業者にご注意を!)
2021年09月30日(木)
昨今、「雨漏りは保険で直せます」・「保険を利用すれば実質的に無料で修理ができます」・「火災保険で塗り替え工事がお安くなります」などのWEB広告を見かける方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
実際に弊社でもお問い合わせいただいたお客様から「保険で塗装工事を安くできるって聞いたんですけど」や雨漏りの修繕で「火災保険で全部費用が賄えるのですよね」などのお話を聞くようになりました。
よくよく話を伺ってみると、上記で記載した内容の様な「WEB広告を見た」・「突然電話がきて、保険が使えますよ」などと言われたという方がほとんどです。
そういった話が増えてきている原因として、広告を出している業者が公的機関のような業者名を名乗っているので信じ込みやすいのも特徴の一つかと思います。(実際には保険を使いませんか?などの話を広告や電話勧誘で行う公的機関はありません)
確かに火災保険で塗装工事や雨漏り修繕を行えれば、無償もしくは費用を押さられるので、お客様へのメリットも大きいですし、そういった災害の時のために保険に加入されているので保険は適用されるべきだと思います。
しかしながら保険が適用されるのはあくまで、
災害によって発生した修繕工事が適用なのであって、
経年劣化での修繕工事は保険の適用外となります。
保険が適用される内容とは
では実際に保険が適用される内容はどういったものでしょうか?
事例を挙げると
・災害によって屋根瓦や棟瓦が飛ばされた
・災害によって発生した飛来物が外壁や雨樋などを破損させた
・上記被害が原因となって雨漏りが発生した
などが挙げられるのではないでしょうか。
上記の案件に関しては加入されている保険の内容にもよりますが、保険が適用されることは間違いないかと思います。
何度も申しますが、あくまで災害によって発生した被害が保険適用内であって、経年劣化が起因となって発生した被害は保険適用外となるということです。
ここからが、本コラムでお伝えしたい一番の内容になるかと思います。
災害に便乗した悪質商法にご注意を!
豪雨、台風、地震などの大規模な災害の後は、便乗した悪質商法などのトラブルが多く発生する傾向にあると報告されております。
実際の手口として
「災害による被害状況を調査しますね」と告げ、調査後に
・本来必要ないのに「○○が壊れているから工事が必要」
・「保険を利用すれば実質無料で修繕ができる」
などと伝え、修繕工事が今すぐ必要だと契約を迫る業者とのトラブルが多く発生しています。
中には屋根に上がって、何も被害がないのに屋根に上ってわざと壊したりする業者もいるとお聞きしますので、突然来た業者に建物を見てもらうのは絶対にやめておいてください。
こういった工事契約トラブルでよくお聞きするのが、実際には保険金がおりない、請求額より少ない、また、解約すると言ったら高額な解約金を請求されたなどです。
万が一、契約してしまったが解約したい・・・
そんな時はクーリング・オフをしましょう。
クーリング・オフ
訪問販売による取引は契約書面を受け取った日から8日間以内であれば契約解除ができます。
また、8日間を過ぎていても契約の取り消しができる場合もありますので、消費生活センターなどに相談してみてください。
中にはクーリング・オフの期間を逆手に取り、契約書の日付を数日前で記載している、クーリング・オフ期間中は電話に出ないといった悪質な業者がいるとお聞きしますので、ご注意ください。
ここでクーリング・オフの方法を記載しておきます。
【クーリング・オフの方法】
① | 必ずハガキなどの書面で行いましょう。 |
② | 契約年月日、契約の内容、契約金額、業者名、担当者名を明記の上、「この契約を解除します」ということを書きます。この時にあなたの住所や氏名の記載もお忘れなきよう注意願います。 |
③ | 記載したハガキは表、裏両方のコピーを取っておきます。 |
④ | ハガキや書面は郵便窓口で「特定記録郵便」または「簡易書留」などの出した日付がわかる方法で出して、受取証などをもらいます。 |
⑤ | ハガキのコピーや受取証などは保管しておきます。 |
以上となりますが、困ったときは一人で悩まずに、公的機関である「消費者ホットライン」にご相談してみてください。
通話料は掛かってしまいますが、身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を紹介してくれます。
消費者ホットライン☎(局番なし)188(いやや)
その他
その他にも「古くなった箇所はありませんか?」と訪問し、「今回の大雨で壊れたことにすれば、古くなった箇所も保険金できれいになります」など、うその理由で保険金を請求しようとする業者も存在します。(詐欺に該当する恐れがありますのでご注意ください)
また、最近社会問題ともなりつつある、保険金請求トラブルを回避するうえでご注意いただく勧誘の内容とは・・・
保険請求代行のコンサルタント料(成功報酬)や修理費用は保険金で対応できるという勧誘や
保険の対象となるかどうか確認しないまま、保険請求手続きの代行を持ちかける業者へは注意が必要です。
保険金請求を行う手続き
では、実際に保険金請求を行う手続きはどういった内容なのかを一般的な方法をもとに記載します。
① | 災害によって破損、雨漏りが発生する |
② | 専門の業者から保険対応が可能かどうか判断してもらい、同時に必要な修繕工事の見積もりをしてもらう |
③ | 保険会社へ保険請求手続きに必要な書類を郵送してもらう |
④ | 必要な書類に事故状況を記載し、修繕工事の内容と工事金額の明細がわかる見積書を添付して保険会社へ郵送する |
⑤ | 保険会社の審査(損害保険鑑定人の審査などがあります) |
⑥ | 保険適用となり、工事をお願いする |
※②と③は逆になっても問題はありません。
といった流れになります。
ここで注意しておきたいのが・・・
あくまで工事をお願いすると工事費用が発生するということであって、その他は一斉掛からないのが一般的だということです。
本コラムは以上となりますが、普通に考えると、保険請求手続きなどは面倒だと思われる方も多いかと思いますが、実はさほど難しいことではありません。唯一しなければならないのは頼りになる業者を見つけることです。
そこが難しいとも思われるかもしれませんが、身近な人に相談するのも一つの手と思いますし、ご自身でこの業者なら信頼できると思われる方へ相談するのも良い方法だと思います。
長くなってしまいましたが、本コラムによって皆様がトラブルに巻き込まれるのを未然に防ぐことになることを祈念しております。
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