コラム
塗装工事に適した時期とは
2021年10月26日(火)
皆さんも外壁や屋根の塗り替え工事を考える際に「何月ごろが塗装に適した時期だろう?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?
実際にお客様との説明時や契約時に「塗り替えに一番いい時期はいつですか?」などの質問を多くいただきます。
今回はそういった疑問にお答えする内容となります。
「塗装工事に適した時期とは?」
一般的に夏は暑すぎるし、冬は寒いから塗装工事には適さないのではないか?
また、春や秋頃が一番良いのではないか?
と思われている方が多くいらっしゃる傾向にあることは間違いないかと思います。
まずもって、私たちは佐賀県内で住宅の塗り替え工事を行っておりますので、ここでは佐賀県での塗り替え工事に適した時期という観点で話していきます。
最初に答えを申しますと、佐賀県では基本的には1年中塗装することは問題ございません。
ただし、「基本的に」という所にご注意ください。
1年中塗装工事ができるという話の根拠
まずもって、佐賀県では1年中塗装工事ができるという話の根拠として塗装に使用する塗料の多くは5℃以下、湿度85%以上の場合は施工を避けてくださいとの表記があります。
1年を通して最も気温が低い月は1月ですが、ここ10年(2012年~2021年)の1月の平均気温は6.23℃と5℃を超えており、この平均気温には気温が低くなる夜の気温も含まれております。
よって、塗装工事を実際に施工する日中の平均気温はもっと高い気温となります。
地球温暖化という問題が盛んにメディア等で報じられ、温暖化の原因と言われている二酸化炭素の排出を抑制しようと様々な対策を講じられておりますが、50年前では1月の平均気温4.3℃と地球温暖化によって佐賀県の冬の温度も高くなっていることがわかります。
基本的には
また、「基本的には」という所ですが、ここが最も重要だと考えております。
1年中いつでも塗装することについては問題ありませんが、塗装内容は夏と冬では変わってきます。
詳しく記載すると、夏と冬では気温が違うので、塗料の乾燥時間が違うということです。
例えば気温25℃で乾燥時間が2時間以上と記載されている塗料があるとします。
気温30℃の時に塗装すれば問題なく2時間以上経過すれば次の工程へと移れますが、気温10℃の時に塗装した場合はどうなるのでしょうか?
もちろん2時間では足りないですよね。
こういった気象条件を考慮したうえで塗装するのは問題ありませんが、例えば、触ってみると乾燥しているから大丈夫という安易な考え方で施工すると品質を損なう恐れがあるということです。
また、夏も同様で仕上がりという観点で考えてみれば気温が高い分、乾燥が早く塗りムラが起こりやすい傾向にあります。
そういった場合は冬に比べて希釈率を高めにすることによって塗りムラを防ぐことができます。
※希釈率とは簡単に言えば塗料をシンナーや清水で薄める割合のことです
一般的に考えると塗料は薄めれば性能が落ちると思われがちですが、一概にそうとはいえません。
塗料メーカーの基準の範囲内で希釈する
大事なのは生産している塗料メーカーの基準の範囲内で希釈するということであり、その範囲内であれば性能は出るという根拠のもとに成り立っております。(実際には塗料の品質というものは下地処理方法や塗膜厚なども加味されて性能が出るのですが、ここでは割愛します)
そういった観点で考えれば夏は1日で2回塗りもできるけど、冬は1日に1回塗りしかできないなど、気象条件によって塗装する工程を変えていく必要があるということになります。
また、塗料はそれぞれによって乾燥時間や次に使用する塗料によって間隔も変わるので、塗料の特徴も掴んでいなければ品質を担保できる工事はできません。
これは春や秋も同様で、その時々の気温や塗装する塗料の条件によって塗装間隔を変えていく必要があるということです。
どうでしたか?
わかりづらい内容かと思われますが、塗装工事においては、適した時期というよりは、その時々に応じた塗装内容を行っていくということが最も重要ということになります。
四季折々、様々な気象条件がありますが、1年を通して雨が降れば塗装はできませんし、梅雨時期といっても空梅雨と言われる時もございますので、季節というよりは雨が降るかどうかが塗装できるか、できないかの基準となってきます。
塗装工事は半製品と言われるように塗料の性能だけではなく、正しい施工内容によって品質が発揮される工事となります。
本コラムが塗装工事をいつの時期に施工したら良いのだろう?と悩まれている方々へひとつの回答となれば幸いです。
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