コラム
最近増えてきた外壁塗装専門店について思うこと・・・
2023年01月09日(月)
目次
最近増えてきた外壁塗装専門店について思うこと・・・
「熟練の自社塗装の職人による・・・」
「安心の自社施工・・・」
「信頼と実績の・・・」などなど
お客様からお問い合わせをいただくため、色んな安心してもらえるような言葉を用いて営業している外壁塗装専門店が非常に増えてきたなと感じております。(弊社でも「自分で請けた仕事は自分たちで最後まで」や「お客様の想いを込めた塗装」などを掲げ仕事させていただいております)
特にここ数年は外壁塗装比較サイトなどのポータルサイトが隆盛を極めていた時期(現在もポータルサイトは増え続けている傾向です)もあり、以前より格段にお客様と直接塗り替え工事を請け負う塗装業者が増え続け、どこも自社施工や塗装品質を売りにする様になりました。
今回はそういった外壁塗装専門店を売りにしている業者さんへ個人的に感じていることを綴らせていただきます。
※あくまで私個人の見解によるものと認識していただいたうえでご覧ください。
まずもって外壁塗装塗装専門店とは何ぞや?ってことからお話させていただきます。
私の見解では自社で集客、営業し、お客様からの問い合わせに対して自社で調査、提案を行い、お客様のご要望のプランにて契約を頂戴いただく。
その後、色の打ち合わせや近隣挨拶などを含めた事前準備終了後、契約に基づいた施工を確実に行い、お客様へ完了報告を行う。
また、その後のアフター点検まで含めてすべて自社で一貫して行う業者が外壁塗装専門店の定義だと考えております。
そういった考えが根本にあるが故、ここ最近増えてきた外壁塗装専門店に対して疑問に感じてしまうことになってしまっていると思います。
ではどういったことが疑問に上げられるのでしょうか?
疑問その① 本当に自社職人が施工していますか?
自社職人による施工というフレーズはどこの業者さんもかなりの確率で使用されているかと思いますが、果たして本当に自社職人で施工されているのでしょうか?
私もこの業界に25年以上携わっておりますが、塗装業というのは下請け構造が常態化されている業種となります。(塗装業は建築工事の仕上げ部分にあたるため、ゼネコンさんや工務店さんなどから塗装工事部分のみを請け負うことが主流となってしまうため)
もちろん下請け=悪いという事ではなく、あくまで自社職人による施工ということをお客様に説明したうえで契約したにも関わらず、実際に施工している業者は下請けであったり、応援などの派遣職人であるという事が問題だと感じています。
発注者(施主様)と施工業者(請負業者)には契約書に基づいて嘘偽りのない工事を行うことが請負契約書の約款に記載されているはずなので、実際には契約違反を起こしているという可能性があります。
そういった事態が発生しているのにも関わらず、自社の不利益に対しての問題に目を背け、自社の都合がいい解釈で施工していくのはいかがなものかと思います。
もちろん、前述したような業者さんばかりではなく、実際に自社職人での施工を行っている業者さんも多くおられるかとは思います。
一般的には施工内容や金額の内訳がわかりづらいと言われている外壁の塗り替え工事です。
だからこそ、お客様の信頼を裏切るような行為は絶対にやってはいけないことだと思います。
外壁塗装専門店と謳っている業者が施工の管理はしているけど、実際に塗装している職人さんは違う会社の人だったりしませんか?
また、住宅の塗装には主に塗装工事と防水工事がありますが、どちらも同じ会社の職人さんが施工されていますか?
外壁塗装を頼むお客様にはそういったことも見抜く目が求められてきているのではないでしょうか。
疑問その② なぜ外壁塗装専門店が安心なのか?
安心して頼める外壁塗装専門店?
安心の自社施工?
これはどういった定義なのでしょうか。
ほとんどの業者さんが安心の後に知識や経験が豊富だと話しておられますが、一体何を根拠として示されているのでしょうか?
よく記載されている所で言うと1級塗装技能士や施工管理技士、外壁診断士などの資格を有しているというのが一般的なところでしょうか。
ここで疑問に思うのは塗装工事の最大の目的である「雨漏りを予防すること」に対しての回答も含まれているのかということです。
例えば一般的な塗装工事を流れを簡単に言うと
診断調査(建物の現状を調査し、劣化状況に合わせた補修を含めて施工内容を決めて、金額へと反映していく)
↓
施工(見積書や契約書に準じた施工を行っていくこと)
となります。
診断や調査においては1級塗装技能士や外壁診断士などの資格はほとんど意味をなさないものだと思っております。(私も1級塗装技能士、外壁診断士両方の資格は保有しております)
まず1級塗装技能士ですが、実際の試験内容はある程度の塗装の知識があれば学科は合格できる範囲だという事と、実技試験は診断や調査とは全く関係が無いという事です。
また、外壁診断士においても、ある一定程度の外壁の状況を判断する資格であって、現在の劣化状況を踏まえた上でどういった対処方法を取れば良いかという判断ができる資格ではないという事です。
ここで伝えたいのは、1級塗装技能士や外壁診断士がダメという事ではなく、それだけでは足りないという所です。
なぜかというと、住宅の塗り替え工事というものは外壁を綺麗に塗り替えるという事だけでは不十分で、雨漏りに対して予防処置することも必要ですので、雨漏りに対する知識や資格も有していなければならないという事です。
外壁の劣化状況を踏まえた上で、雨漏りの予防処置を含めて下地処理方法の選定できるのが正しい診断となります。
そういった診断後に適正な工事内容を正しく工事していくのが施工となります。
施工では、もちろん1級塗装技能士も正しい工事を行える資格の一つだと思いますが、ここでも雨漏りに対する知識は大事になってきます。
なぜかというと、同じ塗装を施工するにあたっても雨漏りに対する知識があるのとないのでは変わってくることがあるという事です。
実際に私も現場作業を行いますが、雨漏りの知識があるからこそ、懸念される箇所については、ただ塗装するのではなく、強化する下処理を施工した後にきれいに塗るなどを場面場面において判断して施工を行っております。
こういったひと手間、ふた手間の判断も施工では大事になってきます。
よって外壁塗装専門店が安心なのではなくて、正しい知識で正しい施工方法を導き出し、正しい施工方法や最良の施工方法を現場判断できる職人が配置されることによってお客様が本来望んでいる塗装工事が完結するという事です。
外壁塗装専門店だから安心ではありません!
調査内容、施工内容、雨漏り、この3つに対して明確な説明できる業者を見つけるのもお客様には求められているのかなと感じております。
疑問その③ 豊富な施工実績。その実績少なすぎないか?
これは皆様あれ?って思われているのではないでしょうか。
「豊富な施工実績!これまで〇〇〇〇棟の施工実績」や「創業〇〇年」など、確かにすごい謳い文句をバーンっと表に出されているのですが、実際にホームページなどの施工実績を見てみると異常に少ない。
これはなぜでしょうか?
「忙しくて施工実績に反映できていない」・「今までは写真を撮っていなかった」や「ホームページを更新したので」なども考えられますが、それだけでは片づけられないことも多く見受けられます。
例えば月に3件ほどの塗り替え工事を行えば年間で36件の施工事例を掲載できますし、それを5年間続けただけで180件もの施工実績ができてしまいます。
これが月に5件施工できていれば1年で60件、5年間で300件もの施工実績ですし、逆に月に1件の施工でも年に12件、5年間で60件が掲載できます。
施工実績というのは日々の仕事の積み重ねです。
外壁塗装専門店であれば塗り替え工事が本業であり、一番最初に記載した通り、常に塗り替え工事を行っているのが当たり前です。
そういった事であれば施工実績はあっという間に増えていくはずですし、実際に施工した物件の事例というのは謳い文句以上の説得力があるコンテンツだと思います。
ですが、施工実績は少ない!
これに疑問を持たないのが逆に不思議な感じになります。
創業間もないのであれば施工実績が少ないのもわかりますが、長くて少ないのは不思議ではありませんか?
塗装工事というのは高いお金を出していただかなければいけない工事でもあります。
だからこそ、業者側の力というものを見極めるのが大事になってきているのではないでしょうか。
以上、長文になりましたが、最後まで見ていただきありがとうございました。
本コラムが皆様のお役に少しでも立てれれば幸いです。
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