コラム
ひび割れにコーキングすりこむって大丈夫?
2024年01月26日(金)
目次
外壁塗装勉強会で満足度100%を200人連続で達成した講師が語る塗装の現実!その2
外壁屋根塗装勉強会の講師として
これまで50回以上開催し、延べ200人を超える方に
お話をさせていただいた中で色んな質問をいただいてきました。
そんな中で多くの質問が上がった事例をシリーズ化して話していきたいと思います。(凄まじいまでの量の質問に答えてきたので、とにかくたくさん話すことはあります(笑)
第2回!!
ひび割れにコーキングをすりこむのは大丈夫?
答えから言うと100%間違っています。
勉強会のなかでも話すのですが、ひび割れ処理に関しては説明ができない業者やあやふやな回答をする業者は避けましょうと話しています。
それと同時に「塗料でしっかりと埋まりますよ」や「コーキングで擦り込んでから塗装します」などの話をする業者も避けてください。とお伝えしております。
ではなぜ、こういった業者は避けた方がいいのでしょうか?
答えはひび割れという事象そのものにあります。
皆さんひび割れはどういった箇所で発生すると思いますか。
何となく想像したら理解できるかもしれませんが、建物の動きや収縮に外壁基材の追従許容を超えたところにひび割れが発生する事となります。
要するに負荷がかかる箇所がひび割れの発生している箇所と言っても過言ではないのです。(もちろん上記以外の要因でもひび割れは発生しますがここでは大きな要因である動きや歪みを中心に話していきます)
もし、塗料で埋めたからひび割れ自体は埋まったけど、その箇所のひび割れ追従性は高くなったのでしょうか?
否ですね。
また、コーキングで埋めて処理するのも間違っております。
そもそもコーキングの柔軟性や耐久性を担保するのは性能だけではなく、肝心なのは厚みとなっております。
外壁のひび割れの上に厚みを確保した施工をするとどうなるでしょうか?
見た目が悪くなりますよね。
また、使用するコーキング材によっては可塑剤の流出によって汚染を招く恐れがあります。
どの観点から考えてみても、塗料で埋めるやコーキングで擦り込むという行為は適切ではないかと思いませんか。
更に言うと、ひび割れしている箇所は塗装工事が終わればひび割れが起きにくい状態へと変わったのでしょうか。
そういうわけありませんよね。
あくまで塗装は塗装ですので、建物そのものの強さを変える工事ではありませんし、塗装したからと言って負荷がかからなくなったり歪みが起きないということは絶対にありません。
なぜひび割れの補修内容に注意が必要なのか?
なぜここまでひび割れについて注意するかと言いますと、2つの理由が挙げられます。
注意が必要な理由①ひび割れについては保証がないから
塗装工事が終われば保証書が施工業者より発行されると思います。
ですが、その保証書になかにひび割れが発生した場合、無償で補修対応します。などの文言は一切記載されておりません。
想像してみてください。
塗装後、きれいになったけど、1年後または2~3年後にひび割れが発生した。
➡施工業者に連絡する
➡施工業者が見に来る
➡・・・
どんなことが想像できますか?
「ひび割れは保証範囲外なので、有償での対応となります」
もしこうなったら皆さんはどんな思いが沸き上がりますか。
ふざけんな!
まさしくそうですよね。
こういった事象が想定されるのは塗装工事中でもなければ引渡し前でもないということです。
皆さんが工事金額を支払われた後、しばらくしてということになります。
すべては工事が終わったあと・・・
だからこそ、業者選びは慎重を期す必要があるのです。
注意が必要な理由②雨漏りの原因となる可能性があるから
ひび割れが原因で雨漏りが発生した。
そういったケースがあるのをご存じですか?
VEシステムズは雨漏り119佐賀店として雨漏りの調査や修繕工事も施工させていただいております。
1年に40~50件ほどの雨漏りと向き合う機会があるのですが、実はひび割れが原因で漏水につながったケースというのが残念ながら間違いなくあります。
そもそも住宅の塗り替え工事というのは色を綺麗に塗り替えるという目的ともうひとつ大事な役目があります。
それは建物に水を入れないようにすることです。
では、塗装後、ひび割れが再発生して水が壁内へと浸入してきたらどうなりますか?
そうです。本来の塗り替え工事の目的を果たせていないということになりますし、万が一雨漏りへとつながれば修繕工事の費用も発生することとなります。
ですので、塗り替え工事の時にひび割れ補修が非常に重要になってくるということです。
以前の補修方法はアスベスト飛散対策が必要となってくる
話はそれますが、ひび割れ補修方法についてもお話します。
以前のひび割れ補修方法で最も施工されていた工法はVカット処理工法だと思います。(RCやモルタルであればエポキシ樹脂注入なども多いですが、住宅という観点でVカット処理またはUカット処理工法としております)
2023年よりアスベスト含有建材調査が義務化され、アスベストが含有されていると想定される建物の修繕には飛散対策が必須となりました。
そもそもアスベストが含有されていないと断定できるのは2008年より後に施工された建物であり、それ以前の建物に関しては絶対とは言いませんが、現在の基準に当てはめるとアスベストが含有されている建材とみなされてることになります。
アスベストが含有されている建材を飛散が想定される施工を行うには飛散対策が必須となり、それに伴い工事金額自体が高くなってしまいます。
ですので、これからの時代に求められてくるひび割れ補修方法はアスベストを飛散させない補修方法となってきます。
弊社では現在2つのアスベストを飛散させない工法を使い分けておりますが、今後も最新の工法でより良いものはないかと注視しているのが現状です。
ですので、ひび割れ補修方法についても詳しく話をできる業者が求められてくるのは時代の流れでもあるのです。
ひび割れ補修に絶対はない!
まとめになりますが、ひび割れ補修方法は数あれど、現時点で正確な話をすれば、塗り替え工事において絶対にひび割れは再発生させない補修方法はなく、ひび割れ補修をする事によって、再発生を抑制する効果を高める。というのが正解だと思います。
絶対ではないんだ?
と思われるかもしれませんが、正確には「絶対にひび割れは起きません」というのはありえないのが現状です。
ですが、色を綺麗に塗りなおす前にしっかりとひび割れ処理を行うことでひび割れの再発生は抑制できますし、長い意味でのサイクルコストをお安くなるというのも本当の事ですので、ひび割れ処理というのは塗り替え工事において大事な項目の一つだと知っておいてくれればと思います。
相変わらず長文ではありますが、本コラムが塗装を検討されている方に良い情報として捉えてもらえればありがたい限りです。
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動画でも外壁や屋根の塗装、雨漏りの事について発信しております。
見ていただければ幸いです。(不慣れな点もありますが、できるだけわかりやすく伝えるようにしております)
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