コラム
外壁塗装は10年で塗り替え必須は嘘?本当?耐久性の真実と適切なメンテナンス方法
2025年02月07日(金)
目次
外壁塗装の「10年持つ」は嘘?本当?耐久性の真実と適切なメンテナンス方法
はじめに:外壁塗装の「10年持つ」は本当か?
外壁塗装を検討する際、多くの業者が「10年ごとに塗り替えが必要」と説明します。
しかし、この「10年」という数字は本当に正しいのでしょうか?
結論から言えば、「外壁塗装は必ず10年でダメになる」というのは一概に言えません。
場合によっては10年以上持つこともあれば、環境や塗料の種類によっては10年も持たずに劣化することもありますし、施工品質によっても大きく変わることがあります。
この記事では、外壁塗装の耐久性に関する「嘘」と「本当」を見極め、長持ちさせるための正しい知識と対策を詳しく解説します。
1. 外壁塗装の「10年」の根拠とは?
1-1. 一般的な外壁塗装の耐用年数
外壁塗装の耐久性は使用する塗料の種類によって異なります。以下は代表的な塗料の耐用年数の目安です。
塗料の種類 | 耐用年数(目安) |
---|---|
アクリル塗料 | 5~8年 |
ウレタン塗料 | 8~10年 |
シリコン塗料 | 10~15年 |
フッ素塗料 | 15~20年 |
無機塗料 | 20~25年 |
今現在ではコストに対して耐久性が見合わないアクリル塗料やウレタン塗料を提案する塗装業者はおりません。
「10年」というのは、昔からよく使われていたシリコン塗料の平均的な耐用年数から来ています。
しかし、これはあくまで目安であり、実際の寿命は塗装の質や施工環境によって変わります。
現在では塗料の開発が進歩しており、フッ素塗料より長持ちするシリコン塗料などもあり、非常に複雑な構造となっております。
そういったことを加味して、実際の次回塗り替え目安で考えると弊社では以下のようにお客様へお伝えしております。
塗料の種類 | 耐用年数(目安) |
一般的なシリコン塗料 | 5年~8年 |
ラジカル制御塗料 | 5年~8年 |
一般的なフッ素塗料 | 8年~12年 |
耐久性に優れたシリコン塗料 | 10年~15年 |
耐久性に優れたフッ素塗料 | 15年~20年 |
無機ハイブリッド塗料 | 18年~23年 |
どうでしょうか?シリコン塗料であれば耐久性は同じじゃないの?と思われがちですが、それは間違いで、耐久性も大きく変わりますし、実際の塗料の価格も倍以上違うものもあります。
また、様々な付加機能によっても耐久性が異なります。
2. 「10年持つ」は嘘?外壁塗装の寿命を左右する要因
外壁塗装の耐久性は、塗料の種類だけでなく、さまざまな要因によって左右されます。
2-1. 立地や気候の影響
- 紫外線の強さ:
塗料の劣化に一番大きく影響するのは紫外線です。
よって、強い紫外線を浴びる地域では、塗料の劣化が早まります。(実際に宮古島では本州の紫外線量の1倍と言われており、宮古島で1年持てば3年、5年持てば15年の耐久性があるのではないかと言われております) - 降雨量・湿度:雨が多い地域では、カビや苔が発生しやすく、塗膜が劣化しやすくなります。
また、雨水はもともと大気中の二酸化炭素が溶け込んでおりますので、やや酸性の性質を持っておりますので、雨が多い地域はより劣化が進みやすいとも言えます。 - 空気(熱):塗料は大気中の酸素と反応し酸化し、硬化や劣化が進みます。
また、大気汚染物質が塗膜と反応すると、変色や劣化を早めることにもなります。
さらには熱によっても化学結合が破壊され、劣化が進むことになります。
2-2. 外壁材の種類
- モルタル壁:クラック(ひび割れ)が発生しやすく、早めの塗装が必要。(長く持たせるにはひび割れ抑制を考慮した塗装仕様が望まれる)
- サイディング壁:シーリング(コーキング)の劣化が早く、補修が必要。(長く持たせるには高耐候シーリングの使用とシーリング表面に塗膜割れが生じづらい塗装仕様が望まれる)
2-3. 施工技術の差
塗装の持ちを左右するのは「職人の技術」です。
「塗装品質」とも称されますが、適切な下地処理や塗り重ねを怠ると、本来の耐用年数よりも早く劣化することがあります。
実際に塗装の不具合が起きた事例の80%以上は下地作り不足と言われておりますし、同じ塗料で仕上げたとしても職人の知識不足によって品質が担保できず、耐久性が大幅に変わるとも言われております。
3. 外壁塗装を長持ちさせるためのポイント
「10年」という目安にとらわれず、できるだけ外壁塗装を長持ちさせるためのポイントを押さえておきましょう。
3-1. 適切な塗料選び
一般的なシリコン塗料はもうすでに前時代的な塗料であると言えますし、ラジカル制御塗料も大きな期待は持ってはいけないと考えられます。
「10年」というひとつのくくりを導き出すには、耐久性の高い塗料を選ぶことが必要です。
また、耐久性の高い塗料を使用することで塗り替えの頻度を減らせます。
特に、以下の塗料は長持ちしやすいのでおすすめです。
- 耐久性に優れたシリコン塗料(コスパが良い)
- 耐久性に優れたフッ素塗料(耐久性が高い)
- 無機ハイブリッド塗料(耐久性が高い)
3-2. 定期的なメンテナンス
外壁塗装は放置すると劣化が進みやすくなります。
以下のような点検を定期的に行いましょう。
特にひび割れやコーキングの劣化は建物を最も劣化させる雨漏りへとつながる恐れもありますし、苔やカビは健康被害を引き起こす恐れもございますので、ご注意ください。
✅ ひび割れがないか確認
✅ コーキング(シーリング)の劣化をチェック
✅ 苔やカビが発生していないか
3-3. 施工業者選びも重要
実は塗装の仕上がりをきれいに塗るのは当たり前のことで、最も大事なのは「塗料の性能を引き出す施工を職人がしているのかどうか」となります。
ぱった見た目はきれいに仕上がっていても実は膜厚が確保されておらず、本来の塗料の性能が引き出せていないということも多く報告されております。
そういったことにならないためには職人の腕によって大きく左右される工事とも言えます。
国家資格者が在籍・有資格者などの言葉に惑わされず、実際に施工する職人さんがどんな人かまで分かったうえで、判断することも大事だと考えられます。
4. 外壁塗装の「10年で塗り替え」は本当に必要?
結論として、「必ず10年で塗り替えが必要」というわけではありません。しかし、10年を目安に点検を行い、状態によって適切なメンテナンスをすることが重要です。
4-1. こんな症状が出たら塗り替え時!
- チョーキング現象(手で触ると粉がつく)
- 塗膜の剥がれや膨れ
- コーキングのひび割れや硬化
こうしたサインが見られたら、10年を待たずに塗装を検討しましょう。
逆に、これらの症状が出ていなければ、まだ数年は持つ可能性があります。
一般的には日当たりが良い南面や西面から劣化は進むので、塗り替えの目安は一番劣化が進んでいる箇所を見て判断するのが良いと言えます。
まとめ:外壁塗装の「10年ルール」に惑わされず適切な対策を!
「外壁塗装は10年で必ずダメになる」というのは一概に言えないというのが結論です。
塗料の種類や環境、施工の質によって耐久性は大きく異なります。
大切な住まいを守るための工事となりますので、そういった意味では施主様が業者を見極めることが求められている時代となっているのかもしれません。
🔍 重要なポイント
✅ 10年で絶対に塗り替えが必要なわけではない
✅ 使用する塗料の耐久性を考慮する
✅ 環境やメンテナンス状況によって寿命が変わる
✅ 定期的な点検を行い、劣化のサインを見逃さない
外壁塗装は高額なリフォームの一つですが、適切な知識を持つことでコストを抑えつつ、家を長持ちさせることができます。
ぜひ、業者の言葉を鵜呑みにせず、賢く判断してください。
この記事を書いた人
代表取締役 米田 国生
保有資格:外装劣化診断士、雨漏り鑑定士・1級塗装技能士・窯業系サイディングメンテナンス診断士・登録建設塗装基幹技能士・赤外線サーモグラファlevel.1・建築物石綿含有建材調査者 他多数の資格を有する
経歴:塗装業界に従事して25年以上。塗装職人として、外装劣化診断士として日々業務に奮闘中!定期的に開催する「外壁・屋根塗り替え勉強会」では満足度100%を200人連続で評価をいただき、現在でも更新中!また、VEシステムズとしてはプロタイムズ施工品質満足度「西日本No.1」・雨漏り119年間調査実績「九州No.1」遮熱塗料国内シェアNo.1のアステックペイント年間施工実績「佐賀県No.1」など多数受賞しております。
出身地:佐賀県佐賀市
ご覧いただいている皆様方へ:
2003年10月に「もっと喜ばれるような仕事がしたい」その思いを胸に創業し20年以上を経過させていただくことができました。これもひとえに地域の皆様方のご愛顧の賜物と厚く御礼申し上げます。佐賀県佐賀市・小城市・神埼市を中心に外壁塗装・屋根塗装・雨漏り調査、修繕・防水工事・リフォーム工事を行っておりますVEシステムズ株式会社(プロタイムズ佐賀駅前店)です。塗装工事って「どこに頼めば良いかわからない」って方が多くいるのではないでしょうか。正直な話、外壁や屋根は塗装すれば確実にきれいになりますし、どんなグレードの塗料で塗ってもきれいになります。ですが、契約時に施主様が望まれているはずである「期待した年数持ってくれる塗装」・「不具合が出ない施工方法」などの本当の意味での塗装品質は施工後数年経過しなければわかりません。VEシステムズでは施主様が思い描いている塗装を具現化するために外装劣化診断から施工、アフターメンテナンスを一貫して自社で行っております。塗装や防水・雨漏りのことなど、些細なことでも構いません。お気軽にご相談ください!
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