コラム
クラック処理について
2018年01月29日(月)
目次
クラックとは
「外壁にちょっと大きめのクラックが入っているな」
外壁の塗り替えの際はクラックというひび割れを補修する下地処理が重要な工程のひとつです。
クラックとは外壁に入っているひび割れのことで大きく分けると2つのクラックに分かれます。
ヘアークラック
躯体に影響がない表層部の割れで、主に塗膜の割れ等が該当します。
ひび割れの幅が髪の毛ほどなので、それが由来となってヘアークラックと呼ばれています。
構造クラック
躯体を傷める可能性があるひび割れで、おおよそ0.3mm以上の幅を指すことが多いです。
基本的に外側から見ると奥までひび割れが入っているものが該当します。
では、こういったクラックにはどういった下地処理を行わなければならないのかをご説明します。
クラックの対策法
ヘアークラックの対策
ヘアークラックの場合はシーリングやフィラーによって擦り込みを行っていきますが、最近では厚みがつく微弾性サーフェーサーで下地調整として擦り込んでいくことが一般的になっております。しかし、本当に表面塗膜の微細なクラックであれば問題はありませんが、0.1mm以上のひび割れは再発生の可能性が高い傾向にあります。
そういった場合は、弊社としては浸透弾性固着処理ができるバリュー工法という仕様を下地調整前に施工しております。
ひび割れ奥深くへ浸透するミラクプライマーMPー1000を刷り込ませるように塗布し
乾燥後にミラクルプライマーMP-1000とセメントを混ぜて補修材を作成します。
作成した補修材にて再度ひび割れに対して隙間が無くなるように刷り込んでいきます。
最後に再度ミラクルプライマーMP-1000を刷り込みひび割れ処理が完了なります。
計3工程と手間はかかりますが、大事な住まいを塗り替えさせていただくにあたってこういった手間を惜しまない施工は後々の不具合を防ぐためにも重要な工程となります。
構造クラックの対策
こちらの方はヘアークラックと違い、確実な対策を施しておかなければ再発生の恐れがあり、更に躯体を傷めていく原因ともなります。
外壁の種類によって若干工法は変わりますが概ね「Vカット処理」という工法をとっていくのが一般的です。
では、Vカット処理の工程とはどんなものでしょうか。写真や動画を使用し、順を追ってご紹介したいと思います。
これが処理する前のクラックの状態です。
この大きなクラックに対してまずは、傷を大きくわざと広げていくために、グラインダーにV型のカッターを取り付けて削っていきます。
Vカットグラインダーケレン動画はこちら
削り終わった写真がこちらです。奥に続くひび割れが見えますね。
外壁の種類によってはエポキシ樹脂注入などを用いたりしますが、今回は一般的な工法としてシーリング処理を行います。
クラック部分の清掃後、シーリングを密着させる専用のシーリングプライマーを塗布していきます。
シーリングプライマー塗布動画はこちら
シーリングプライマーを塗布した後にノンブリードタイプのシーリングを奥までたっぷりと充填していきます。
シーリング充填後、すぐにヘラやバッカーなどでさらに奥まで詰め込むようにおさえていきます。
シーリング充填・おさえの動画はこちら
シーリング充填完了がこちらです。
シーリングが乾燥してから次の工程へと入ります。
シーリングの特性上、乾燥すると凹んだ状態になりますので、下地調整材にて平滑に処理していきます。
平滑処理の動画はこちら
下地調整の平滑処理完了がこちらです。
この後、浸透性のシーラーを塗装し、外壁の模様と合わせていきます。
今回の場合は、先に下地調整として浸透性シーラーとエポキシ結合微弾性サーフェーサーまで塗装しております。
その写真がこちらです。
補修跡がくっきり見えますよね。このままだと上塗り塗装を行っても同じように補修跡が目立ちますので模様を合わせていきます。
今回はリシン壁でしたので、リシンを吹き付けていきました。
肌合わせ吹付動画はこちら
Vカットクラック処理はこれで完了です。
どうですか?ほとんど度の箇所を補修したかわからなくなっています。
ちなみに他の工法の写真を出すと、エポキシ樹脂低圧注入を終えた後もこんな感じに仕上がります。
クラックが再発生すれば躯体に悪影響を与え続けていくことになります。
「せっかく塗り替えを行ったのにすぐに補修しなければいけなくなった」
そんな事が起きないよう、性能的にも美観的にも最良の施工をしていくことを最優先していかなければなりません。
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