コラム

塗料のはがれについて

「塗り替えてまだ月日もそんなにたっていないのに外壁の塗装がはがれてきた」

そんな経験はありませんか?

原因については様々な要因が考えられますが、ほとんどの場合は下地処理が問題となって発生することが多いです。

では何故こんなことになってしまうのでしょうか?

ポイント① 手抜き工事

これは許されない行為ですが、始めから手抜きを行う塗装業者と下請けで工事金額が最低限の工程を行うだけでも赤字になってしまうから仕方がないと割り切って考えてしまう塗装業者と2パターンあるようです。

事情はどうであれ職人としては絶対にやってはいけない行為ですよね。

ポイント② 知識不足

変な話になっちゃいますが、500万円以上の工事を請け負う場合には県知事の許可などに経験や有資格を担保として営業できますが、それ以下。いわゆる一般的な外壁や屋根の塗装工事は100万円前後が多いのではないでしょうか。

ということは特別な資格や経験は要らず、例えば明日から塗装リフォームをやろうと思えば電話1本あればいつでも営業が開始できるということになります。
知識や経験、それに見合う資格がない業者と工事契約を結べばおのずとどうなるか想像できますよね。

様々な素材がある外壁や屋根。
それぞれに応じた下地処理は経験だけでなく豊富な知識が必要であり、ここを間違えてしまうと後々高額な費用が掛かる補修が必要になったりしますので塗装業者を見極めるときには特に注意が必要となってきます。

ポイント③ 構造上の問題

意外に知られていないのですが、戸建て住宅の大半に使用されているサイディング外壁には直貼り工法と通気構法があります。

昨今主流の通気構法は問題ないのですが、一昔前の直貼り工法には注意が必要です。(2000年以前に建てられた建物は工法の確認は必須です)
中には如何なる下地調整を施工しても数年で塗膜がはがれてしまう恐れがある外壁もございます。

こういった外壁には塗り替えではなくサイディングの張替えを提案しなければならない構造上の問題ということもあります。

こういったいくつかのポイントがありますが、確実に言えることは正しい工法で念入りに施工することが必要不可欠ということです。

 

それでは本題の塗料のはがれについて、今回は新規のモルタル擁壁に塗装されて間もない例を用いてご説明していきます。

塗料のはがれの例

下地調整材の選定ミスか塗布量の不足。

 

一見きれいに仕上がっているように見えますよね。

確かに表面はきれいに仕上がっておりました。

ですが・・・・・浮き部分をはがして引っ張ってみると

こんな感じでビリビリと塗膜がはがれていきました。

今回の事例は下地調整材の選定ミス塗布量の不足。

この2点が考えられます。

1点目の下地調整材の選定ミスとは・・・

新規モルタル外壁の下地処理には必ず最初にやらなければならない工程があります。
それは浸透性のシーラーを塗装することです。

浸透性のシーラーを塗装せずに昨今主流となってきた微弾性サーフを塗装すると下地と密着せずにこういった塗膜のはがれへとつながっていくのです。

 

2点目の塗布量の不足とは・・・

先程、最初に浸透性のシーラーを塗装しなければならないと書いたのですが、実はただ塗ればいいというものではなくて、吸い込みがなくなるまで塗装するということが肝となってきます。

これまでの経験からするとほぼ間違いなく1回塗りでは吸い込んでしまってシーラーの効果は出てきません。

よって最低でも2回塗り。必要であれば3~4回塗りも視野に入れなければならないということです。

ということでまずはすべての塗膜を除去していきます。

塗膜をすべて除去したら浸透性シーラーの出番です。

今回は日本ペイントのファイン浸透シーラーを使用しました。

向かって左から塗装しているのですが、吸い込んでいるのがわかりますでしょうか?

基本的に吸い込みが出れば、乾燥時間をおいて再度塗装していきます。

今回は計3回塗りで吸い込みが止まりました。

ここまでしっかりと浸透させていくとシーラーの効果もはっきりと出てきますので、この後、上塗り塗料を使用して仕上げていきます。

以前とパッと見た目は何も変わらないですが、しっかりとモルタルに密着した塗装の完了となります。

下地調整は上塗り塗料に隠れてわからなくなることが多いのですが、ご覧になられたように後々のことを考えるといかに重要な工程なのかがわかりますよね。

下地調整はそれぞれの基材に応じた適正な処理を必要に応じて数回に分けて行うこと。

これが基本となります。

大切なお住まいを守る塗り替えリフォームにおいていかに下地が重要なのかを知ってもらえたでしょうか?

今後も様々なケースを記事にしていきますので皆様のお役になれば幸いです。

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